2008年の秋にグラナダのレコード屋(レコードはほとんど売っていないからCDショップかな)で、このCD「ディエゴ・デ・モロン」を買うまで彼の名前すら知らなかった。彼の叔父のディエゴ・デル・ガストールのCDを探していたが無かった(普通無い)。が、店員が「彼の甥のならあるよ」(おそらくそう言ったのだろう)と言って教えてくれたそのCDを買って意気揚々とピソ(アパート)に帰った。
聴いた第一印象は、
なんだこれ
フラメンコギターでは普通使わないドラムやシンセサイザーが入っていてかなり変
叔父のようなギターを期待していたのにちょっとがっかりだ など
一応MP3ウォークマンに入れはしたが、全曲をじっくり聴いて正当に評価されることなく、この名盤はしばらく不憫にも放っておかれた。不憫だったのは自分だと気づいたのは、スペイン国内を長距離バスで移動中に、何も期待せずにこのCDを流して聴いていたときだった。
叔父の演奏とは違うが...
もしかしたら...
いや、これは間違いなく...
「すごい」
その一言だけだ
1977年に発売されたこの作品は、私の知る限り、ソロの曲だけできちんとレコーディングされたアルバムとしては彼の唯一の作品である。そして、インターネットの通販で手に入る彼の唯一のCDであろう。迫力と繊細さを兼ね備えた彼のギターが、デタラメではなく「絶妙な間」と感じられるのは、聴く人のグルーヴと確実にシンクロしているからに違いない。因みに1977年と言えばEaglesの「ホテル・カリフォルニア」やABBAの「ダンシング・クイーン」が流行っていた頃だ。
このアルバム、初め、かなりの違和感があったドラムやチープなシンセサイザーも、聴いて行くうちに彼のギターの邪魔ではなく、いつの間にか「うまく融合している」と感じるようにもなった。(これには異論もあるでしょうけど)
聴き始めた頃はソレアやアレグリアスが好みだった。しかし、毎日のように聴き込んでいくと、CDの後半に向かうほどすごい演奏になって行くと感じた。
フラメンコギターやギターそのものを聴かない人だけでなく、ギターの演奏を聴くのが好きな人たちにもこのCDを聴いてもらったとして、さてどう感じるだろうか? 興味深い。
聴き始めると毎回彼の世界に引き込まれて行きます
Granada to Madrid
Madrid to Salamanca
Sevilla to Lisbon
長距離バスの中で飽きることなくホントによく聴いた
YouTubeで聴くことができる曲もありました
1曲目 ブレリア Bulerías
3曲目 アレグリアス Alegrías
ディエギートのギターについて書きたいこと
他にもいろいろあるけれど
もう寝ないといけないので今日はこのくらいにします