2012/02/23

CD元年 プロローグ

「えげれすの ぜんとるまんは いまいかに」
「制服の 女子高生よ 君もかい」
England, Australia and China

私が初めてCDと出会ったのは1983年7月のことである。場所は、生まれて初めて訪れた異国の地、イギリスのロンドン。

見知らぬ大都市のストリートで立ち止まって地図を眺めていると、足早に歩く現地のビジネスマン風の男性がさっと近寄って来て May I help you?  いかにもストレンジャーの素振りをした私に丁寧に道を教えるとまた足早に去って行った。クールでスマートな立ち振る舞い。三日の滞在で同じような経験を何度かしたので、その人だけが特別に親切だということではないと分かった。ジェントルマンの国イギリスに深く感心したのを覚えている。


London 1983

当時の地下鉄 車両の形・大きさは丁度大江戸線のよう


話はそれるが、同じアングロサクソン民族の国オーストラリアでも人が近寄って来ることがよくあった。でもそれはタバコを分けてもらうためだ。ごく普通の人も多いのには驚いた。彼らの口調は皆丁寧で、立ち振る舞いもどこかイギリスのジェントルマンを彷彿させるのは面白かった。オーストラリアではタバコは高価なものなのだ。中国にも「煙酒不分家」という言葉がある。タバコと酒は誰のものということなくみんなで分かち合うものだ、という意味である。しかし、中国では「知り合った人に積極的にすすめる」、オーストラリアでは「見知らぬ人に積極的にもらいに行く」というところが決定的に違う。

タバコをもらいに知らない人が寄って来るのには程なく慣れたが、ある朝、通勤通学時間に駅前で立って一服していた時、微笑みながら近寄って来た制服姿のかわいい金髪女子高生に、May I have one? 「一本頂けますか?」と丁寧に頼まれたときは流石にたまげた。意表を突かれた私は、ほんの一瞬ためらうも丁重に断ったが......なんかドキドキしたー。


Sydney 2003  この駅の近くに部屋を借りていました

毎日ベイブリッジを渡って通学(もちろん電車で)

滞在中に湾岸戦争が勃発 反戦デモが盛んでした