安い運賃=Low Costは当然コスト削減の努力によって実現している。知るところによれば、人件費の削減、採算の取れる路線・便数の厳選、着陸料が安いマイナーな空港への就航、空港の中でも場所が不便なターミナルの使用⇒搭乗までバス&タラップ、座席数の増加、機内サービス(食事、飲み物、エンターテインメントなど)や預ける荷物の有料化、などによりコストを削減している。私は安全面に不安が無く、シートの前後の間隔(ピッチ)が、我慢できないほど狭くない(短時間のフライトなら我慢する)限りは、基本的に運賃の安い会社を利用している。ギターを持っていくときは、機内持ち込みできるかどうかが判断基準となる。この話はまた別の機会にしましょう。
LCCのチケットはその会社のウェブページで簡単に予約できるので非常に便利である。運賃は、早く予約すればより安くなる。ヨーロッパ内のフライトは、日本の国内線程度の距離である。目的地が遠くなくて、2、3週間くらい前に予約すれば、片道2、3千円くらいである。千円以下のチケットもよく見る。カラクリはわからないが0ユーロ=無料?なんていうフライトもあった。ど、どうなっているんだ?
さて、LCCは上記のように着陸料の安い空港を使用していることがあるが、その一例を。ロンドンのメインの空港はヒースロー空港である。でもそれ以外に2つの空港がある。こちらの方が着陸料が安いのである。パリ、ローマ、バルセロナなどの大都市も同様に複数の空港を持ち、LCCはマイナーな方に就航していることが多い。利用者にとっては一般的に、乗り継ぎが面倒(その都市の別の空港まで移動が必要な場合がある)、空港までのアクセスが悪い(時間・お金がかかる、交通手段が限られる)、という不便が生じる。
着陸料の安い地方空港に就航する国際線フライトの出現は面白い現象も引き起こしている。スペインのへレス・デ・ラ・フロンテーラはフラメンコで有名ではあるがとても小さな町である。空港もマイナーである。でも、Vueling (ブエリング航空)というスペインのLCCが、こことロンドンを結ぶフライトを飛ばしているので、この町にはイギリス人が多く訪れる。以前ならマドリッドやバルセロナへ飛び、そこから自分の目的地に鉄道やバスを使って移動するのが一般的だったろう。今はこのように田舎の町へダイレクトにアクセスできるので、意外なところに意外な国の人が多く来たり、長く滞在したりしている。私もLCCの予約のサイトを見ていると、「ここからこんなところに飛んでるんだ~。しかもこんなに安く。」と、行く予定もなかったところに、「行ってみようか。」なんて思っちゃったりする。考えるだけでも胸が躍る。そして、その町のことや空港から市内までのアクセスをネットで調べ始める。そういうノリの人、私以外にもいるんじゃないかな。
中国のハワイと宣伝されている海南島をご存知でしょうか。きれいなビーチがある三亜という都市は、結構前から有名なリゾート地ではあったが、数年前に久しぶりに行った時、街にはロシア語の文字があふれていて驚いた。そう言えば道を歩いていると、西ヨーロッパ人とは少し違う顔立ちの、背も鼻も高くて色白の、近年までほとんで見かける機会がなかったロシア人たちがちらほら、いや結構多いことに気づく。中国のリゾートにあふれるロシア人!?聞けばシベリアのハバロフスクと三亜を結ぶフライトができたとのことだった。(LCCかどうかは分かりません)なるほど納得、オーチン ハラショー!LCCの出現により、今まで、交通アクセスが不便で観光資源も乏しかったところでも、努力そして工夫次第では町の活性化も不可能ではなかろう。茨城空港にも上海の春秋航空が就航したが、多かれ少なかれ良かれ悪かれ、その近辺に変化が見られるかもしれない。
ハワイのLCC その名もgo!
最近成田に就航 タイのビジネスエアー
海南島にはロシア語がいっぱい