2011/08/16

Ignacio de Amparo 3

ギターをしょったイグナシオが、少し息を切らせながら3階の私の部屋まで上がってくる音が聞こえる。レッスンは毎回「やぁ、寒いな Hola! Muy frio, no?」という挨拶で始まった。早速電熱器を挟んで座りレッスンスタート。1ヶ月の滞在中に週1,2回、計7回のレッスンを受けたが、その日はソレアの最終回、そしてブレリアの1回目だった。まず、今まで習ったファルセータを元にイグナシオが作ってくれたソレアを私が弾き、聴いてもらう。弾き始めてしばらくすると、緊張して指がうまく動かなくなる。人前で弾く時はいつもその傾向がある。余計な力が入ってがちがちだ。そんな私のギターをイグナシオは終始真剣な表情で聴いていた。私も真剣に弾いた。「最後まで止まらず弾き切るぞ」と何とかこらえ演奏終了。疲れた。

「よかったぞMuy bien 、心corazónがこもっていた。それが大切importanteなんだ。」

意外な褒め言葉に素直にうれしくなった。決してうまく弾けたわけではないが、そう言ってもらい確かな達成感があった。そして思った。「イグナシオのように魂のこもった迫力のある演奏がしたい」と。その後、ブレリアの基礎を習いその日のレッスンは終わった。つづく


Muy Bueno! Gracias, Ignacio.