2011/10/16

伊東 Ito is Ito

「伊東へ行くなら〇・〇・ヤ」のコマーシャルソングがあまりにも有名だったこの町は、子供の頃家族旅行で何度か訪れたことのある場所です。成人してからも何度もドライブで寄り道したり、泊を伴う旅行で訪れたりと、馴染みのある観光地であるのは間違いないのですが、何故か町中を歩いて見て回った記憶は乏しく、可笑しな話ですが、駅から海岸辺りまでの地理ですらも今回の訪問でようやく把握した程でした。



午後七時に到着 伊東名物の「ちんちん揚げ」で腹ごしらえ

アーケードの商店街 夜八時頃

思いもよらぬほどひっそりとした街

東海館の横に建つ旅館はホステルとして
生まれ変わり外国人に評判のようです

松原大黒天神の湯(松原浴場)

とてもいい湯でした 入浴料二百五十円也

伊東に来たらやはり魚料理ですね

明くる朝 歩いているとこんな看板が

キネマストリートという通りに飾られていました

この地で生まれ育った木下杢太郎の記念館

国道135号線 渡れば海岸でした

手湯 近くに足湯もありました

松川 奥に有名なあのホテルが見えます

東海館の望楼を望む

松川遊歩道

文学者・医学者として知られる木下杢太郎が描いた松川

静かな散歩道

昼食は金目鯛の煮付け 日本に生まれてよかった

和菓子屋さん 感じのいいお店です

駅に向かう途中「真実の口」も発見
心置きなく帰路に就きました


伊東の温泉は江戸時代には徳川三代将軍家光公に献上されていたそうです。今回私が入った二つの温泉の泉質は無色透明の単純泉。白く濁って硫黄の匂いがすれば「あ~いい温泉だ」とすぐに満足してしまうくらい温泉について知識もこだわりもない私でしたが、今回伊東の温泉に入って「体が芯からじわじわと温まる」感じがよくわかりました。いつも行くスポーツジムの浴場のお湯とは全く違いました。(当たり前ですね)

昔から漁業の町であった伊東が温泉町として繁栄するようになったのは鉄道が通ってからのことで、それほど昔の話ではないようです。歓楽街には、訪れる客の数を考えると多すぎると思われる数のバー、ナイトクラブがありました。その日は三連休の中日だったにもかかわらず、アーケードの商店街を通る人も少なく、不必要に通りに流される明るい音楽は、残念ながら、逆に賑やかさを失った街の虚しさや寂しさを際立たせていました。

伊東には美味しい魚と良質な温泉があります。昨今の人々(外国人も含め)が何を求めてここに来るのかを知れば、伊東は再び魅力的な観光地として客足を呼びもどすことができるかもしれません。少なくともそのポテンシャルはあると思うずら。


2011/10/09

東海館 Tokaikan in Ito

新しいカメラの試し撮りのために静岡県の伊東市にある東海館を訪れました。昭和三年に創業された東海館は伊東の海岸にほど近い、松川沿いに建つ温泉旅館でした。十数年前に廃業したのちも取り壊されることなく、伊東市によって補強工事が施され丁寧に保存されています。200円の入場料で館内見学が、500円払えば見学に加え温泉浴ができます。(入浴は土日祝日の11時から19時)


伊東駅 1938年の開業当時と変わらない駅舎

松川の対岸からみた東海館

松の緑が印象的

松川とその両岸 右岸は長い遊歩道になっています

玄関側の外観 壮観です

玄関 昭和初期の情緒がたっぷり

玄関上に飾られた旭と鶴の彫り物

中庭 各地から集められた大石を使った石庭

見学前に総タイル張りの由緒ある大浴場へ 
伊東の温泉 強くお勧めします

美しい板の間の廊下

客室内を見学

茶色の木の温もり 畳の匂い 

端正な和の空間は心が落ち着きます

飾り窓 客室のレイアウトや装飾は一室毎に違います

奇木を使った装飾

広めの部屋 客室自体立派な美術品のようです

こんなところに住みたくなりました

和室と窓の間にあるこの空間が大切です

ある部屋の隅にレトロな扇風機が

時代とともに社名も変わりました

贅沢なリバービュー

廊下 館内は隅々までとても綺麗

正に「大広間」
往時は毎週末ここで大宴会が行われていたのでしょう

大広間に飾られている彫り物

大広間の舞台脇の柱 輸入物の高級黒檀

望楼 外を眺める場所なので何もありません

ロビーのデコレーション お洒落で鮮やか

温泉宿の温かい灯り

でも昔の賑いはありません


館内には、東海館の歴史や文人たちが伊東について描写した文章などの展示もありました。それらはどれも興味深く、展示物の量も適当でした。伊東を愛した文人たちが揃ってこの地の温泉を讃えていましたが、その理由は、前夜に銭湯を訪れ、そして明くるこの日は東海館の総タイル張りの大浴場の浴槽の湯に浸かることで納得しました。

ゆっくりと入浴・見学した後、ロビーにある大きな古時計を見たら一時間半ほど過ぎていました。それほど遠くない昔を偲ぶショートトリップは非常に感慨深いものでした。


Gear : Nikon COOLPIX P300
Mode :   Auto
Pixels :   5M
No Flash
No Synthesizer

2011/10/08

金木犀

道を歩いているとにわかに馴染みのある匂いが。

見回すと少し離れた道端に控えめなオレンジ色をした小さい花々が咲いていました。

金木犀の香りは品のある甘い香りです。

視覚より先に嗅覚でその存在を気づかされる花の第一位。

毎年同じ時期に毎日通る道を少しだけ特別なものに変えて楽しませてくれます。

芳香剤の「レモンの香り」はレモンだと判るけれど「キンモクセイの香り」ってかなり罪だと思いませんか。



 こんな形の花だったんですね