2013/02/11

エリック・サティ Eric Satie

他の人の何も意図しない一言に、やはり何気なく触発されて行動を起こしたことはありませんか?

「あっ、この曲、ドラマでも使われてた。なんて言う曲?」
「ジムノペディですよ。サティの。」
「事務の...サティってスーパーの?」

ジムノペディNo.1が流れていたときに同僚の口から発せられた言葉が、思い起こせば、私が去年ピアノの練習の再開するきっかけだった。「そういえばこの曲はずっと前に習って一度弾けるようにはなったなぁ」「ほとんど忘れちゃったけどもう一度弾けるように練習しようか」と思い立ち、家に帰って(その日じゃないかもしれないけど)楽譜を探した。

Eric Satie 1866-1925


原曲をアレンジして簡単にした楽譜を見つけた。思い出すように少しずつ弾いていくと少しずつ思い出した。簡単にアレンジしてあるので弾くのも簡単だ、けどつまらない。原曲の楽譜を見つけてチャレンジすることに。一から譜読みし直すのは根気がいる作業だけれど、前に一度やったことがあるのと、何と言っても、「この曲をうまく弾けるようになりたい」という気持ちがこのプロジェクトを推進する上で一番の原動力であった。

毎日のように練習して譜面の最後までたどり着いた。少しずつだが弾けるようになるにつれて練習が楽しい時間になっていった。いろいろなピアニストの演奏を、YouTubeで見聴きしたり図書館からCDを借りて来て聴いたりした。十数年ぶりにピアノ教室に通い始めたのはこの頃だ。素敵だなと思う演奏はいくつかあったが、その中でもイタリアのチッコリーニAldo Ciccolini演奏は他の人と違っていて惹かれる。軽め(実際はそうでもないよう)のタッチで速めのテンポ(聴いていると感じないが一緒に弾くとよくわかる)、テンポの変化・揺らぎ・強弱。とってもおしゃれだ。


若き日のチッコリーニ Gymnopédie No.1


最近のチッコリーニ Gymnopédie No.1
若い頃の演奏と比べることができます


Gnossiennes No.1  by Alexandre Tharaud COOL!


その後、ジムノペディとともにサティの有名な曲であるグノシェンヌGnossiennes(No.6まである)のNo.3にスッポリはまってしまい、アマゾンで楽譜を購入し練習した。フランスで活躍したサティだが、彼の曲といえば、フワフワした、少し間の抜けたような、人の意表をつくような、そしてちょっと(「かなり」の義)怪しげな曲が印象的で、それらが私を含めた一般の人の知るところであろう。他のクラシックのピアノ曲とは感じが違い、そこが魅力である。ジムノペディやグノシェンヌは私のような素人でも弾くことができるのも魅力だが、それを上手く弾くのはとても難しい。


そして昨日は十数年ぶりのピアノの発表会でした

曲目はサティのグノシェンヌNo.1とNo.3

つづく