2013/04/29

Kuma's Elevating Fastball 浮き上がる速球

現在日本時間でまだ朝の7時。シアトル・マリナーズの本拠地のセーフコ・フィールドには日曜の午後とあってたくさんのベースボールファンが野球観戦に訪れている。


やっぱり野球はいいなぁ


マリナーズの先発は岩隈。相手チームは、昨シーズンの新人王トラウトやプホルスといった強打者を擁するエンゼルスだ。先ほど6回にエラーで1点を失ったが、エンゼルスの強打者たちから三振を奪うなど今日もナイスピッチング。でも味方の打線が抑えられ無得点、6回を投げ切ったところで降板したため、残念ながら今日も勝ち星が付かない。今シーズンは不運にも今日のような試合が何度かある。


まもなくプレイボール 今季の成績は言うことなし


今シーズンも岩隈とダルビッシュの試合はよく見ている、というかほとんど見ている。いや、正しくは全部見ている。MLB.TVの解説者は最近、岩隈のストレートを「Elevating Fastball」と形容し始めている。直訳すれば「浮き上がる(上昇する)速球」という意味だろう。岩隈のストレートはよく言う「打者の手元で伸びる」ような球だ。ボールが浮き上がったり伸びたりするはずがないので、実際のところは、「打者の手元にたどり着いたときにも減速が少ないため伸びのあるように感じるボール」である。


Cool Kuma


岩隈の投球の持ち味は、ストレート、スプリッター(フォークボール)、スライダー、カーブをコントロールよく投げ分け打者を翻弄するところだ。以前に比べたらスピードはやや落ちたかもしれないが、まだまだストレートでも勝負できるピッチャーなので、緩急を付けたピッチングをされると、メジャーのバッターもそのElevating Fastballに空振りして三振を喫すという場面も数多く見られる。


初回 強打者トラウトTroutにも真っ向勝負

ストレートstraightで三振strike outに斬ってとる

かなり悔しそう 次の打席も真ん中高めで三振でした


大リーグに移籍した昨シーズンの今頃はほとんど登板もなく、ひたすらブルペンで登板のチャンスを待ち続けるしか無かった岩隈。実績も実力もある彼がなかなかマウンド登らないのには私も随分歯痒い思いをしたものだ。それこそ「宝の持ち腐れ」である。でも、流石岩隈、腐ることは無く本当によく辛抱した。中継ぎで実績を作り信用を勝ち取り、ようやく7月のオールスター開けに先発ローテーション入りを果たしたのだ。今年はマリナーズの先発の柱としてチームから期待されている。岩隈のピッチングは常にストライクが先行し投球のテンポも良いので守備陣も守りやすい。このことは打線にも好影響を与える。ベンチも安心してみていられるしストレスも少ない。スタジアム内の様子や歓声から、ようやくファンにもその素晴らしい投球が完全に認められ期待されているのも分かる。


マリナーズ勝利! 寒さも吹っ飛んだかな


さて、これを書いている間に試合は終了。マリナーズが2本のホームランで逆転、2−1で勝ちましたが、岩隈にはまたしても勝ち星は付かず。惜しかったね。でもナイスピッチングでした。